今日のおすすめ本
みどりのなかのジュール
ジェローム リュイリエ(著), J´erome Ruillier(原著), 結城 昌子(翻訳)
鮮やかな色と温かみのある画風がお気に入り
「みどりのなかのジュール」は私の大好きな絵本です。
画像ではわかりにくですが、表紙は緑色が主に使われていて、ポイントで人物と赤い鳥が描かれている構成です。手にとって見るとよくわかりますが、「緑色」と言っても、さまざまな色があり、とても表情豊かです。深くて濃い緑や黄緑色のような明るめの色など、幅があることがわかります。
本編を読み始めると、緑から始まってさまざまな色の画面を経て、また緑に戻ってきます。緑に戻ってくることには意味があります。主人公のジュールが気づいたことを、子どもたちにも感じ取ってほしいなと思いました。
それぞれの色の特徴を活かした、よく考えられた構成
始まりは緑色で、その後は赤→灰色→黒→黄色→青→緑→エンディング、という構成になっています。
この色の流れはよく考えられているなと感心してしまいました。緑の反対色は赤です。そのため、緑色のページを見た後に反対色の赤のページをみると、より赤色が鮮やかに見えるのです。また、色が切り替わるときも、いきなり次のページから色が変わるのではなく、2色を使って描かれたページが間に入っていて、なるほど…と思いました。とても鮮やかなので、目でも楽しめる絵本です。
本編とは関係ありませんが、表紙は緑で、裏表紙は鮮やかなオレンジです。これもハッキリした対比になっていておしゃれだなと思いました。
退屈だったジュールが気づいた大切なこと
青のページでジュールは「青はゆめをかなえる色だ」と言っています。夢をかなえる色だなんて素敵ですよね。退屈だったジュールは、冒険をしながらさまざまな色に出会いました。そして、緑色の自分の家に帰ってからは、もう退屈ではなくなったのです。
ジュールが気づいたことは、ささいなことかもしれないけど、とても大切なことだと私は思いました。もしかしたらこの絵本は、子どもよりも大人向きの絵本かもしれません。
年齢問わず、おすすめしたい一冊
手書き風の文字で書かれていて、温かみのある雰囲気の絵本です。漢字混じりの文ですが、ふりがな付きなので子どもでも読みやすいです。文は短いので読み聞かせもしやすいです。
目を引く色づかいで、絵を見るだけも楽しめるので乳幼児にもおすすめです。
我が家では、どんべーくんが2歳~幼稚園のころによく読んでいました。気に入って何度も繰り返し読んだ思い出の絵本です。
関連リンク