今日のおすすめ絵本
しりたがりやのこぶたくん
ジーン バン・ルーワン(著), アーノルド ローベル(イラスト), Jean Van Leeuwen(原著), Arnold Lobel(原著), 三木 卓(翻訳)
「かあさん」の言動にくすっと笑えるリアリティがある
著者のジーン バン・ルーワンさんも子を持つお母さん。きっとこの本は、ご自身のお子さん、デイビット君のことを思いながら書かれたのでしょう。
この本を読んでいると、「こぶたくん」のわがままや素直さや可愛らしさに、我が子の姿を重ねて温かい気持ちになれます。そして「かあさん」の言葉や考えていることに共感して思わず笑みがこぼれます。
かあさんが休暇をとる話では、かあさんの代わりに「おばあちゃん」がこぶたくんだち兄妹に振り回されます!これまた心当たりがあって、笑ってしまいました。
「とうさん」や「かあさん」たち家族との心温まる日常のお話
全部で5つのお話が入っていますが、どれも日常の何気ない一日のお話で、大きな事件がおこることもないし、大冒険などに行くわけでもありません。でもそれがこの本の良さで、家族とのふれあいがていねいに描かれていて読んだあとはとても幸せな気持ちになれます。
植物を育てたり、お手伝いをしたり、時にはわがまま言ったりする、すてきな日常です。
私は最後に載っている「おやすみのじかん」というお話が好きで、息子のどんべーくんにもよく読み聞かせていました。彼もこの話を気に入って、こぶたくんのまねをして「ぼく、ねむれない」とわざと甘えてきたり。そんな時は私もかあさんのまねをして「くまだっこ」をしてあげたりしていました。
今日はつまらないことで怒っちゃったなあ、なんて日に読むと、素直になれていいかも。
絵は「ふたりはともだち」を書いたアーノルド・ローベルさん
実は「しりたがりやのこぶたくん」はアーノルド・ローベルさんの本を調べていて見つけた本でした。「ふたりはともだち」の絵が好きなので、他にも著作がないかなあと思って探したというわけです。
この本は絵だけですが、「ふたりはともだち」の方は絵も文もアーノルド・ローベルさんです。翻訳の三木卓さんは「ふたりはともだち」でも翻訳されています。
こぶたくんのお話で気に入っているのは、父親と母親のことを「とうさん」「かあさん」と表現していることです!とうさん、かあさん、って…温かい響きだと思いませんか。
小1の一人読みにちょうどいい
ほとんどひらがなで書かれていて、漢字は時々、小1レベルのものが出てきますが全てふりがなつきです。小1の一人読みに良いと思います。年長さんでもひらがなが読めて、長文を意欲的に読める子にはいいと思います。お話が5話あるので、1つずつ読むと良いかもしれません。
読み聞かせは一話ずつ読んであげれば、乳幼児から楽しめます。