今日のおすすめ絵本
ゴインキョとチーズどろぼう―チュウチュウ通り1番地
エミリー ロッダ(著), たしろ ちさと(イラスト), さくま ゆみこ(翻訳)
読みやすくておもしろい。絵もかわいらしくて温かい気持ちなれる大人気シリーズ
「チュウチュウ通りのゆかいななかまたち」として全部で10冊出版されています。それぞれ「○番地」とタイトルについていて、今回紹介する本は「1番地」に住むゴインキョというお年寄りのネズミが主人公のお話です。このシリーズの本は息子のどんべー君のリクエストではなく、母である私が絵に一目惚れしてしまって全巻購入しました。
たしろ ちさとさんの描くチュウチュウ通りの住人たちは、みんな魅力的です。このシリーズのお話の世界観が伝わってくる温かみのある絵柄です。住人たちは十人十色で個性的な面々なのですが、彼らの雰囲気がにじみでていてとても大好きな絵です。たしろ ちさとさんは他にもたくさん本を出されていてどの本もとても素敵な本ばかりです。「おんがくかいのよる」がこれまたネズミのお話でかわいいので特に好きです。
さくま ゆみこさんの邦訳も、チュウチュウ通りの住人たちの息づかいが感じられて楽しく読み進めることができます。それに、住人の名前が良いですね!原作通りかなと思われる名前が多いのですが、「ゴインキョ」と「クツカタッポ」はよく思いつくなあと感心してしまいました。
冒頭は特殊詐欺に通じるような展開
ゴインキョはお金持ちならぬチーズ持ち。一人暮らしで、孫からの手紙が届くのを楽しみにしているという、お年寄りのネズミです。冒頭の「きんきゅうの手紙」を読んでみたら、あらまあこれって、よく話題になる特殊詐欺に通じるなあと思いました。ゴインキョ騙されちゃダメ!なんて思いながら読むのですが、ゴインキョったら思いっきり・・・。
そしてハラハラする展開を迎え、チュウチュウ通りの仲間たちの助けもあって事件解決というわけですが、もうひとり、解決を助けたものがいました。彼とチュウチュウ通りの仲間たちに囲まれたゴインキョ。心温まるエンディングでこのお話は幕を閉じます。
エミリー・ロッダさんは「デルトラ・クエスト」のシリーズの著者!
息子のどんべー君が学校の図書館で「デルトラ・クエストI (8) 帰還」という本を借りてきて、何気なく著者の名前を見たらエミリー・ロッダと書いてあって、どこかで聞いた名前だなあと調べたらチュウチュウ通りの本の作者でした。全く雰囲気の異なる本なので同じ作者だということに驚きました。作家さんってすごいなあと改めて思いました。
話はそれますが、どんべー君が借りてきたこの本の表紙、遠目に見るとカーズっていう車のお話の「ライトニング・マックィーン」っていうキャラクターに見えませんか?私はとても目が悪いので、初めて表紙をみたときにカーズの本を借りてきたのかと思いました。近くでよく見たら、ライトニング・マックィーンの目のところに「帰還」って書いてあったので目じゃない!と思って笑いました。全く何の役にも立たない話ですみません。
小学校低学年~中学年くらいの子におすすめ
小さくて薄い本なので、学校に持っていて読書タイムに読むのに良いと思います。
ところどころ漢字が使われていますが、ふりがなが振ってあるため、小学校低学年の子でも字が読めなくてつまづくことは無いと思います。読み聞かせをする大人にはこれくらい漢字が使われている方が読みやすいです。かわいらしい挿絵がたくさん使われているので、長いお話を読むのが好きではない子でもとっつきやすいかもしれません。
お父さんお母さんが読み聞かせをしてあげれば、幼稚園の年長さんあたりでも楽しめるお話だと思います。ただし、それなりの長さなので時間のある時に読んであげるのが良いと思います。