今日のおすすめ本
あめあがりの名探偵(ミルキー杉山のあなたも名探偵)
杉山 亮 (著), 中川 大輔(イラスト)
保育士であり探偵でもある、ミルキー杉山がゆるく解決
作者の杉山亮さんは保育士経験があるそうです。ミルキー杉山は作者の杉山さんがモデルかもしれませんね。保育士をしながら探偵の仕事をしているミルキー杉山が、ゆるい感じで事件を解決していきます。
ミルキー杉山は、シャーロック・ホームズみたいなクールなかっこいい雰囲気の探偵さんとはちょっと違うようです。私生活では奥さんと別居して子ども2人と暮らしている、生活感がにじみ出た親しみのあるキャラクターです。
お腹が出ていたり、もさっとしていたり、風貌はちょっと頼りない感じだけど、少しの違和感を見逃さず事件を解決!ユーモアのあるお話で楽しく謎解きしながら読めるのがこの本の特徴です。
「ミルキー新聞」のおまけつき
この本には「ミルキー新聞」が挟み込まれていました。「ミルキー杉山のあなたも名探偵」シリーズの全部の本にミルキー新聞が挟まれているかどうかはわかりませんが、今回挟まっていたものには「ミルキー新聞 そくほう2」と書いてありました。
内容は新聞の体裁になっていて、お話の内容に合ったことが書かれています。新聞なので「スクープ」とか「けいじばん」とか「クロスワードパズル」が載っています。お話に出てくるケーキ屋さんの広告が載っていたり、ちょっとしたところに遊び心があります。
「事件編」と「解答編」に分かれていて謎解きが楽しめる!
さて本編ですが、「しょうゆケーキ事件」「ハラマキオウム事件」「怪盗ムッシュの手紙」の3つの事件のお話が載っています。それぞれのお話が事件編と解答編に分かれていて、自分で答えを探してから解答編を読むとより楽しめるようになっています。解答編の扉ページには「あ!もうこたえみちゃうの?」などと書いてあって、ちょっと立ち止まって考えるように促してくれます。
答えを見つけようと思うと、事件編を何回も読むことになるので、自然と文章をたくさん読むことになるんですよね!これ、よく出来た本だなあと思って感心してしまいました。
「しょうゆケーキ事件」のドタバタな感じも面白いし、「怪盗ムッシュの手紙」のようによく考えないとわからないお話もあって、1冊を通してとても楽しめました。うちの息子のどんべー君は「ティラミソ」という言葉が気に入ったらしいです。さて、どのお話に出てくる言葉でしょう~。
イラストが多めで小学校低学年の子にも読みやすい
漢字にはふりがながついています。イラストが全ページに入っていて絵本に近い感覚で読めるので、小学校1年生、2年生でも読みやすいと思います。絵が多いので、高学年の子には少し幼く感じてしまう構成かもしれませんが、推理するのが好きな子にはおすすめです。
大人に読んでもらうよりも、自分で何度も読んで答えを見つける方がより楽しめますよ!