10歳までに読みたい日本名作(6)平家物語

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戦ってなくても「戦い」なんです~平家物語(10歳までに読みたい日本名作)(感想・レビュー)

今日のおすすめ本

平家物語(10歳までに読みたい日本名作)
弦川 琢司(著), 加藤 康子(監修), 夏生(イラスト)

戦いの話が好きな子が夢中になりそうなお話

平家物語は盲目の琵琶法師によって語り継がれてきたお話です。

”祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。娑沙羅双樹の花の色、盛者必衰のことはりをあらはす。おごれる人も久しからず、只春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ。”

という出だしは有名ですね。10歳までに読みたい日本名作シリーズの「平家物語」では、この有名な言葉も現代の言葉でわかりやすく書かれているので、小学生でも平家物語の面白さを味わうことが出来ます。

「源氏物語」が光源氏の恋愛のお話だとしたら、「平家物語」は平氏の栄枯盛衰のお話です。戦いや武士たちの生き様など、最後まで読み応えがあります。

戦いにはルールがあったんだ!

この本の巻頭カラーの「物語ナビ」には、平家物語に出てくる人物についての紹介が書かれています。主な登場人物である平清盛、平重盛、源頼朝、源義経、木曽義仲の5人はイラスト付きで紹介されています。他には簡単な家系図や、合戦の行われた場所を示す地図が載っています。

興味深かったのは、戦う時のルールです。例えば「えいえい」「おー」と声を上げてから始めるなど、正々堂々と戦うのがかっこいいという時代だったんですね。他にもルールが載っているので、ぜひ本を手にとって読んでみてください。

それぞれの作戦や登場人物の生き様が面白い

戦いにルールがあるとは言っても、ひとたび戦が始まれば命がけです。作戦をたてて様々な駆け引きをして戦っていたことが、平家物語を読むとよくわかります。戦いの意義や軍勢、場所や天気などの状況は、その都度異なります。だからこそそれらの違いが興味深いですし、思いがけないハプニングが起こったり、人々の言動がさまざまで読み応えがあります。

私は富士川の戦いのお話を読んで…「戦ってないよね?」って思ってしまいました!

登場人物たちもそれぞれに個性的で、人間味あふれています。平清盛と平重盛は親子ですが、全く性格が違うんですよね。源義経に対する源頼朝の気持ちの変化をとってみても、人間って昔も今も本質は変わらないのかなと思います。

小学校3年生くらいからの子におすすめ

日本の歴史や武士に興味がある子におすすめです!

漢字にはひらがながふってあります。また、難しい言葉には脚注がついているのでわかりやすいです。ただし、長文を読むのに慣れていない、小学校低学年の子には難しいかもしれません。読み聞かせをしてあげると、親子で楽しめるのでおすすめです。

また、難しい本は苦手だけど平家物語を読んでみたいという大人にもおすすめです。

どんべー(ぼく)
水鳥にびっくりして逃げちゃった~!

『平家物語(10歳までに読みたい日本名作)』の情報はこちら

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マペ(お母さん)

息子(どんべー)が小さい頃、1000冊以上読み聞かせをしました。せがまれて一冊を何度も読んだので、読み聞かせの回数は1万回を超えるのではないかと思います。最近は読み聞かせの機会も減ってしまい、ちょっとさみしいような楽になったような。

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