今日のおすすめ本
だいくとおにろく
松居 直(著), 赤羽 末吉(絵)
昔話ならではの言葉づかいや絵がすてきな絵本
「こどものとも」の創刊に関わった松居直さんが作られた(再話)絵本です。
「大工と鬼六」は岩手県の昔話だそうで、いろいろな本が出ていますが、私は松居さんと赤羽さんが作られたこの絵本が好きです。
昔話らしく言葉づかいに特徴があって、独特の響きがとても心地よく感じられます。
やはり、日本人であるからには日本語を大切にしたいですし、小さいうちから、さまざまな表現の言葉にふれる機会があるというのは幸せなことだと思います。
赤羽末吉さんの絵の魅力と相まって、本当にいい絵本だなと実感できるような作品です。
表情豊かな赤羽末吉さんの絵が大好き
私は赤羽末吉さんの絵が大好きで、「だいくとおにろく」以外にも、「おへそがえるごん」「おおきなおおきな おいも」「かちかちやま」などなど、たくさんの絵本を読んできました。
どの作品でも温かみがあって表現力のある絵を描かれていて、ユーモアを感じる絵もあるので何度見ても飽きないです。
この絵本だと、鬼が「にかっ」と笑ういたずらっぽい表情が好きですね!
また、鬼の朱色っぽい赤色と、青緑っぽい風景の色がコントラストになっていてとてもきれいです。赤い橋が出てくる見開きページも美しくて大好きです。
ときどき読み返したくなる名作絵本
「こどものとも」の絵本は良い本がたくさんあって、この「だいくとおにろく」も名作絵本の中の一つだと思います。
今はたくさんの絵本が出版されていて、流行りで消費されてしまうような本もたくさんあると思います。
そういうのが悪いというわけではなく、いろいろな絵本を読む中で、このような名作絵本も忘れずに手にとってほしいですね。
昔話の絵本は一見地味に感じられますが、心や感性を育む要素がたくさんあるのではないかと、私は思っています。
全てひらがなで書かれた本。読み聞かせにもおすすめ
裏表紙には「読んであげるなら4歳から。自分で読むなら小学校初級向き」と書かれています。
字は全てひらがなです。ひらがながすらすら読める子なら一人で読めると思います。
言葉づかいに特徴があるので、大人が感情を込めて調子よく読んであげると、親子で楽しい読書タイムになりそうです。