だるまちゃんととらのこちゃん

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土の絵の具で遊びたくなっちゃう~だるまちゃんととらのこちゃん(感想・レビュー)

今日のおすすめ絵本

だるまちゃんととらのこちゃん
加古 里子(著, イラスト)

教育・文化のみならず科学や技術にもくわしい加古里子さん

著者は「だるまちゃんとてんぐちゃん」を始め、たくさんの「だるまちゃんシリーズ」の本を書かれている加古里子さんです。「からすのパンやさん」も有名ですね。無くなる直前まで進行中の著書のことを気にかけていたというエピソードもあり、子どもたちのために良い本を作ろうと情熱を傾けていたことがとてもよくわかります。

加古里子さんは東京大学工学部を卒業されていて、教育や文化のみならず科学や技術にも詳しく、それらのさまざまな知識や経験がたくさんの著作に生かされています。

「だるまちゃんととらのこちゃん」は子どもたちが大好きな落書きやお絵かきのお話になっていますが、加古さんの絵本らしくひと工夫あるところが気に入っています。本の奥付のページに加古さんの言葉が書かれていて、どんな思いでこの本を作ったのかがわかります。

土を絵の具に見立てたアイデアが面白い!

だるまちゃんは、ペンキ屋さんの子どもであるとらのこちゃんに会いに行きます。そして、ペンキでお絵かきしたい!と思うのですが、もちろんそんなことは出来ません。そこでだるまちゃんはある工夫をして、とらのこちゃんと一緒にお絵かきを楽しみます。

ペンキではなく赤と黄色の土を使うのですが、絵本の冒頭にその赤と黄色の土がすでに出てきていて、伏線が張られています(笑)そこにある土を二人で取りに行くところとか、体に塗りたくって遊ぶところとか、街中にお絵かきして回るところとか、二人のわくわくする気持ちが伝わってきます。

途中で怖い感じのおじさんに出会うけれど、実はそれが仕事の依頼だったりして、今度はホントのペンキを塗ることに。この流れが私は好きで、「なんだか楽しいこと夢中でやってたら、仕事になっちゃった」というような、大人の世界でもあり得るような無いような、うらやましい展開で心躍ります。

いたずらのような遊びやお手伝い・仕事。めいっぱい楽しむだるまちゃんととらのこちゃん

このお話の良いところは、どろの絵の具で遊んでいるときも、本物のペンキで色を塗って仕事をしているときも、二人の様子が変わらずにとても楽しそうだということです。大人なら初めての仕事に臆したりしそうなものですが、本物のペンキを手にしてますます張り切る二人。こんなふうに仕事をしたいなあと思ってしまいます。

3歳~小学校低学年向き

本の裏表紙には「読んであげるなら3歳ころから、自分で読むなら小学校初級向き」と書かれています。文字はすべてひらがなです。字の覚えの早い子なら幼稚園の年長さんあたりでも読めると思います。

絵本なので絵はもちろんたくさんあるのですが、文字も多めで読み応えあります。たくさんの字を読むのが難しい子には読み聞かせてあげるのがいいと思います。小学生になれば一人で読めるようになるでしょう。

どんべー(ぼく)
ペンキで塗った乗り物がたくさん出てくるページが好き。

『だるまちゃんととらのこちゃん』の情報はこちら

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マペ(お母さん)

息子(どんべー)が小さい頃、1000冊以上読み聞かせをしました。せがまれて一冊を何度も読んだので、読み聞かせの回数は1万回を超えるのではないかと思います。最近は読み聞かせの機会も減ってしまい、ちょっとさみしいような楽になったような。

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